【博物館・美術館】ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展 見どころと感想

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来館日:2023年2月12日(日)
開催場所:国立国際美術館
観覧料(税込み):2,100円(当日券)

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展覧会情報(2023.02.14時点)
大阪:国立国際美術館 2023年2月4日(土)– 2023年5月21日(日)
東京:国立西洋美術館 2022年10月8日(土)~ 2023年1月22日(日)

ドイツ、ベルリンにあるベルリン国立ベルクグリューン美術館は、ドイツ生まれの美術商ハインツ・ベルクグリューン(1914-2007年)のコレクションを収蔵展示する美術館として1996年に開館し、2004年から現在の名称に改まりました。本展は、同美術館のコレクション97点をまとめて紹介する日本初となる展覧会です。ピカソの初期から晩年にいたるまでの作品と、同時代に活躍したクレー、マティス、ジャコメッティら、ベルクグリューンが最も敬愛した芸術家たちの優品に、日本の国立美術館が所蔵する11点を加えることで、20世紀ヨーロッパ美術の偉大な足跡をたどります。

国立国際美術館 HP

今回は「ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」の

・チケットの時間指定はあるのか
・当日の混雑状況と所要時間
・独断と偏見の感想
・ミュージアムグッズ
・国立国際美術館周辺カフェ情報
・予習、復習に役立つ動画・書籍

など

を書いていきます。

といっても、私は絵画にめちゃくちゃ詳しいわけでもなく、ピカソ大好き!なわけでもなく、ただ好きな絵を見て心をなごませたい・・・と思っている程度の知識なので、そのへんはご了承ください。

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混雑状況と所要時間

ピカソ展 大阪は時間指定なし

当日の混雑状況~そんなに混んでいなかった

日時指定ではなかったのですが、念のためチケットはローソン(Loppi)で前日に購入しました。

私は日曜日のお昼ぐらいに行きましたが、チケット売り場にはそれほど人は並んでおらず、当日券を買うのに行列している!ということはなかったです。

ただ、見終わって帰る時(13:30頃)には10人ぐらいが並んでいました。

美術館のTwitterでも混雑状況をお知らせしてくれているので、気になる方は事前にチェックされた方がよいかもしれませんね。

展示場内も多すぎず少なすぎず、ほどほどの人。

人の頭で絵が見えない!ということもなく、見やすかったです。

開催期間の終わりが近づくとまた混み合うかもしれないので、興味のある方はお早めにどうぞ。

所要時間

音声ガイドは借りていません。

1時間15分ほどで見終わりました。

この記事を書くためにメモメモしながら見ていたのでほかの人より時間がかかったと思いますが、それでも意外と早く見終わりました。

ざっくりと展示作品がピカソ、クレー、マティス、ジャコメッティに限られていたので、色んな人がごちゃごちゃとならなかったのも見やすかった要因かと思います。

展覧会の内容

「ピカソとその時代」とあるように、ピカソだけではなく、パウル・クレー、アンリ・マティス、アルベルト・ジャコメッティなど20世紀の作家の作品が並びます。

展示構成としては以下のようになっています。

Ⅰ. セザンヌー近代芸術家たちの師
セザンヌの作品

Ⅱ. ピカソとブラックー新しい造形言語の創造
ピカソとジョルジュ・ブラックの作品

Ⅲ. 両大戦間のピカソー古典主義とその破壊
古代彫刻や古代絵画に着想を得て描かれた作品

Ⅳ. 両大戦間のピカソー女性のイメージ
女性を描いた作品

Ⅴ. クレーの宇宙
パウル・クレーの作品

Ⅵ. マティスー安息と活力
アンリ・マティスの作品

Ⅶ. 空間の中の人物像ー第二次大戦後のピカソ、マティス、ジャコメッティ
第二次大戦後、ある意味円熟味を増した作家の作品

作家数も限られていますし、作品数も約100点と、そんなに多すぎることもなく、ちょうどよい感じでした。

写真撮影OK!

こちらの展覧会は一部を除き写真撮影がOKとなっています。

図録を買わない派にはうれしい仕様です。

事前に見て行ったら役立つYouTube

私はピカソやキュビズムに特段興味があるわけではなく・・・むしろ

「なんでこういう絵が評価されるんだ???」

とわけわからない状態です。

果たして今回の展覧会を観に来た人の中でどれぐらいの人が

「ピカソっていいわあ~素晴らしいわ~」

と思ってるんですかね・・・?

みんなわかってる???わからないよね?????ね?

だって

とか・・・

ですよ???

わけわかんないよ!!

なので、観に行く前にかなり予習をしていきました。

事前に見たYouTubeがこちら。

見てから行くと、理解が深まる・・・かもしれません。

頭で理解するというより、目で観て感覚で理解するということなのかもしれない。

「山田五郎 オトナの教養講座」

我らが山田五郎氏の美術チャンネル。

「こやぎ先生の美術ちゃんねる」

ふわ~っと、ゆる~くわかりやすくピカソの絵について解説。

「大阪サンスポちゃんねる」

ところどころの記者の女性のアップが気になりますが(必要?)、国際美術館の研究員の説明でわかりやすい。

独断と偏見の感想

あくまでも私個人が感じた独断と偏見による感想なので、

「〇〇の絵がないじゃないか!」「有名な〇〇はどうした!」

ということがあるかもしれませんが、あしからず。

なので、まず近代絵画の父とも言われる

「セザンヌの良さがわからない」

というか、というか好きか嫌いでいうと

好きじゃない・・・・

ため、「Ⅰ. セザンヌー近代芸術家たちの師」はスルーしました。

ごめんなさい。

Ⅱ. ピカソとブラックー新しい造形言語の創造

◆パブロ・ピカソ
「ジャウメ・サバルテスの肖像」

◆パブロ・ピカソ
「座るアルルカン」

「ジャウメ・サバルテスの肖像」は「青の時代」と言われる1901-1904年の間に描かれた作品。

この間、親友の自殺があり、深刻なうつ病におちいっていたピカソ。

顔がわけわからない方向に向いて分裂している絵より、私はずっといいと思いました。

少なくとも人だとわかるし。

さみしげな道化師もしかり。

Ⅲ. 両大戦間のピカソー古典主義とその破壊

私にはここで展示されている作品の方が観ていて楽しかったです。

◆パブロ・ピカソ
「踊るシレノス」

顔が削れてる?女性もいますが、全体的になんか楽しそう。
釣りにでも行って大漁だったんですかねえ。

ユーモアある感じ。

シレノスとはギリシャ神話の神で、ハゲで太っていてワインを飲み、いつも酔っぱらっていたらしい。

ちなみに巨匠ピーテル・パウル・ルーベンスによって描かれたシノレスはこちら。

肉肉しいというか、生々しいですな…。

PETER PAUL RUBENS
Der trunkene Silen
Alte Pinakothek München

常に酔っぱらっているけれど、ものすごい知識の持ち主らしいです。

◆パブロ・ピカソ
「ミノタウロマキア」

「マキア」はギリシャ語で戦争の意味。「ミノタウロスの戦い」

大作「ゲルニカ」と共通する要素をいくつか含み、「ゲルニカ」へつながる作品。

そんなにめちゃくちゃ大きな作品ではありませんが、画面から伝わる何かがあるのでしょう。

隣で観ていた男性が観るなり

「うおおっ!これはすごい!」

ともらしていたのが印象的。

こちらの作品は山田五郎さんのYouTubeでも紹介されていたので、ご覧ください。

それによると

牛=残忍性、暴力性、暗黒面の象徴
馬=虐げられる人民の象徴

牛と馬の対峙はピカソの故郷スペインの闘牛からのモチーフ。

だそうです。

さらに詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。

◆パブロ・ピカソ
「サーカスの馬」

こちらも馬ですね。

暴力と加害者、被害者がテーマなのかもしれません。

Ⅳ. 両大戦間のピカソー女性のイメージ

◆パブロ・ピカソ
「緑色のマニキュアをつけたドラ・マール」

キービジュアルのひとつにもなっているこちら。

これぐらいなら頭がお米のようでも許せそうです(?)

「泣く女」のモデルで、自身も写真家のドラ・マール。「ゲルニカ」の制作過程を撮影しました。

◆パブロ・ピカソ
「花の冠をつけたドラ・マール」

こちらも同じドラ・マールをモデルにしていますが、穏やかな雰囲気。

ピカソは愛人をとっかえひっかえ、中には自殺してしまった人も多く、まったくのクソやろーですが、あれだけの作品をパワフルに生み出した巨人。

男性としても魅力的だったんですかねえ。

Ⅴ. クレーの宇宙

ピカソはそんな感じ(?)だった私ですが、続くパウル・クレーは意味不明で大変面白かったです!

展示場のライティングがややオレンジっぽかったので、撮った写真も黄色みがかっています。

実物はもっと鮮やかです。

◆パウル・クレー
「青の風景」

パッチワークの世界ですね。

大きな作品はなく、こじんまりとしていたのも良かったです。

◆パウル・クレー
「運命のファゴット・ソロ」

クレーはバイオリニストでもあるので、音楽をモチーフにした作品も数多く描いています。

この絵のどこがどうファゴットなのかさっぱりわかりません。

ファゴットについての考察はこちらをご参考にどうぞ。

日曜ヴァイオリニストの“アートな”らくがき帳 特別編|天使の画家パウル・クレーがファゴットに託した音楽愛
日曜ヴァイオリニストで、多摩美術大学教授を務めるラクガキストの小川敦生さんが、美術と音楽について思いを巡らし、“ラクガキ”に帰結する連載。今回は国立西洋美術館で開かれている「ピカソ...

クレーはタイトルもさらに意味不明のも多く、絵とどう結びつくのだ???とさらに楽しかったのでした。

◆パウル・クレー
「カモたち」

◆パウル・クレー
「口数の少ない倹約家」

展覧会解説によると、口数の少かったクレーの自画像だそうです。

ちょっとかわいい・・・。

◆パウル・クレー
「イレーネが成長した時のための象形碑文(no.1)」

何がどうなってどうなってるんだ?!

◆パウル・クレー
「知ること、沈黙すること、やり過ごすこと」

まったくもってわかりません。

◆パウル・クレー
「黒魔術師」

さらにわからない。

◆パウル・クレー
「塔の理念」

もっとわからない。

わからないけど見ていて楽しいです。

ポストカードもいっぱい買っちゃいました。

◆パウル・クレー
「モスクの入り口」

これは小さな四角を塗りつぶした色がそれぞれ違うのですよ。

解説によると「それはとても骨の折れる作業で・・・スタンプのような道具を自ら編み出して作業にいそしんだ」そうです。

そのかいあってか(?)とてもきれいな作品でしたし、見る角度によって浮き上がって見えたり、きっとライティングによっても見方が変わる作品だと思います。

その究極形が、このYouTubeで紹介されている、こちらではないかと(今回は展示されていません)。

「山田五郎 オトナの教養講座」パウル・クレー 「パルナッソスへ」

このYouTubeを見て、そうか!音楽なのか!と納得。

芸術とは「眼に見えるものを写し出すものではなく、見えないものを見えるようにするものだ」

パウル・クレー

『西洋絵画の歴史』3

Ⅵ. マティス―安息と活力

◆アンリ・マティス
「青いポートフォリオ」

◆アンリ・マティス
「室内、エトルタ」

◆アンリ・マティス
「雑誌『ヴェルヴ』第 4巻13号の表紙図案」

マティスといえばこんな感じで結構どぎつい色彩が目に飛び込んでくる印象だったのですが、晩年にはこんな光あふれる礼拝堂(ドミニコ会修道院ロザリオ礼拝堂)のデザインをしています。

うす暗い礼拝堂とは違い、明るい色彩で彩られていますね。

でもどことなくやわらかい。

Henri Matisse vue de la Chapelle du Rosaire

ドミニコ会修道院ロザリオ礼拝堂

Matisse et la Chapelle du Rosaire - Musée Matisse de Nice
LeMuséeMatissepossèded’importantesœuvresautourdelachapelledeVence.LachapelleduRosaireaétéérigéede1949à195,parl'architecteAugustePerretetdécoréeparHenriMatisse.

フランス ニースからバスで約一時間だそうです。このやわらかな光につつまれてぼーっとしてみたい。

パウル・クレーも晩年には天使の絵を手掛けていますが、キリスト教圏の方は、最終的にはそういう心持ち(どんなだ)に行きつくんでしょうかね・・・。

Ⅶ. 空間の中の人物像―第二次大戦後のピカソ、マティス、ジャコメッティ

◆アルベルト・ジャコメッティ
「広場Ⅱ」

細長い人々が何やら集合中。

◆アルベルト・ジャコメッティ
「ヴェネツィアの女 Ⅳ」

「国立新美術館開館10周年ジャコメッティ展」(2017年開催)を紹介した記事を見ると、見事に細い人ばっかり。集まると『進撃の巨人』の巨人の地ならし感もあります。

ジャコメッティが見せる人間の儚さと強さ。10年ぶりの大回顧展がついに開幕!
20世紀を代表する彫刻家、アルベルト・ジャコメッティ(1901〜1966)の大回顧展が6月14日より国立新美術館で開催される。ジャコメッティ展が日本で開催されるのは約10年ぶりで…

非常に儚く、もろい人間というものを感じると思います。しかし、その儚さに押し潰されない力強さ、躍動感もある

美術手帳

うーん、そうなのか・・・。

クレーがわけわからなくて素敵だった

というわけで、最後まで観終わったわけですが、

「クレーがわけわからなくて素敵」

ということで、大変満足して帰りました。

近代美術はあれこれ考えるより

観て、感じる

だけだとあらためて思ったしだいです。

ミュージアムグッズ

今回もミュージアムグッズは豊富でした。

定番のクリアファイル、ポストカードのほかにベルクグリューン美術館オリジナルのものも結構ありました。

いまいち使い方がわからないマスキングテープ
チケットホルダーにも使えるマルチホルダー
普段使いできそうなタオル

面白かったのが、クレーとマティスの型抜きバウム。

なんかよくわからんお菓子
缶買いの乾パン
ベルクグリューン美術館トート 
ドイツっぽい質実剛健さがイカすぜ(死語)

こちらはコラボ商品

サンリオコラボ
ROOTOTEコラボ

国立国際美術館周辺カフェ情報

パンとエスプレッソとUTSUBO FACTORY

パンとエスプレッソとUTSUBO FACTORY(大阪・京町堀)| 株式会社 日と々と
大阪・京町堀のカフェ「パンとエスプレッソとUTSUBOFACTORY」の店舗情報です。株式会社日と々とが運営。お店の最新情報・お得な情報を配信中です。

今回はこちらでお茶しました。

こちらのお店ではパンも購入できるので、パン好きな人には嬉しい。

ランチタイムには遅かったので、アイスティーとチョコパン(名前忘れた)。

席からはこんなふうに靭公園までの間の空き地?が見えます。座席数は多くないですが、女性一人でのんびりしている人もいて、美術館帰りは一人でぼーっとしたい私は助かります。

国立国際美術館・靭公園周辺はカフェ激戦区、ですがオフィスが多い土地柄、日曜日がお休みの所も多いので事前に調べていくことをおすすめします。

読んでおくとより理解が深まる参考文献、動画

「山田五郎 オトナの教養講座」

また登場していただきます。山田五郎さんのYouTube。

本当に役に立ちます!

こちらはセザンヌの回。

セザンヌは「へたくそ」だったからこそ、「近代絵画の父」となりえたというお話です。

今回、美術館で『もっと知りたい パウル・クレー』『西洋絵画の歴史3 近代から減退へと続く問いかけ』を購入して読んだのですが、いまいちピンとこず・・・。

興味のある方はどうぞ。

芸術が平面で見えるものから変化してきているため、文字で説明するのが難しくなっているのかなあと感じました。

少しでも興味があったら観にいきましょう

ヘンテコなキュビズムへ至る道のりが並べて観られる機会はそうそうないと思うので、ピカソがわけわからなくても、足を運んでも良いかと思える展覧会でした。

閉幕が近づいて混みあう前にどうぞ!

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